はる子の不妊治療日記

32歳1人目不妊。低AMH0.38。この治療記録が1人でも多くの方の役にたてばいいな。

不妊とは?

わたしは妊活をスタートするとき、まさか健康なわたしたちが1年後、不妊でクリニックに相談するなんて思ってもいませんでした。30歳から妊活スタートをスタートし、自己流妊活を1年間頑張ったわけですが、今思えばこの1年という期間は本当に貴重なもので、もっとこうしておけば良かったとか、もっと計画的なアクションがとれたんじゃないか、そうすれば今頃・・・と考えてしまうことがあります。

 

後述しますが、女性の妊娠率は年齢とともに下がっていきます。限られた時間をどう使うのか、これから妊活をはじめていこうという方は、ぜひ後悔しないよう、まず不妊について知って欲しいのです。

 

 

不妊とはなにか?受診のタイミング

妊活をはじめてもなかなか妊娠できない時、実際にクリニックでカウンセリングや治療を受けるまでに、どのくらい自分たちでトライするべきなのか悩む人も多いと思います。「不妊」とは、なんらかの治療をしないと、それ以降自然に妊娠する可能性が極めて難しい状態をいいます。妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性交すると、一定期間内に妊娠します。

 

日本産婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。世界保険機構(World Health Organization:WHO)では、2009年から不妊症を「1年以上の不妊期間を持つもの」と定義しています。さらに米国の生殖医学会では2013年に、「不妊症と定義できるのは1年間の不妊期間を持つものであるが、女性の年齢が35歳以上の場合には6ヶ月の不妊期間が経過したあとは検査を開始することは認められる」と提唱しています。

 

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年齢別1年以内の自然妊娠率 https://ninkatsutips.com/hunin_teigi_genin/

 

健康な男女が避妊をせずに定期的に性交渉した場合、1年で8割のカップルが妊娠すると言われていますが、それはあくまでも20代の場合の可能性であることが上の図からもわかりますね。30歳を超えると、1年で自然妊娠できるカップルの割合は63%、つまり約1/3のカップルが妊娠に至っていないという事になります。

 

また、女性側の月経不純や排卵障害(排卵がうまくできていない状態)、子宮筋腫子宮内膜症等を合併している場合は不妊症である可能性が高くなります。男性側がうまく射精ができない場合(性機能障害)にも、不妊症の診断・治療が必要となります。このように病気や不安要素がある場合、妊娠しない期間が1年未満であっても、この一定期間を待たずに早期に治療を開始することが効果的である場合もあります。

 

 

年齢を重ねるほど不妊リスクは上がる!

「妊娠しやすさ」は、女性の年齢によって大きく変わることがわかっています。年齢が上がるに従って妊娠しやすさは低下していき、30代後半になると年々妊娠しにくくなっていきます。下の図をみると30歳前後から、妊娠率・生産率は下がり始め、35歳から急激に低下、逆に流産率は35歳から急激に上昇しているのがわかります。

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ART*による年齢別の妊娠率・生産率・流産率 https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2018data_20201001.pdf

 *ARTとはAssisted Reproductive Technology(生殖補助医療技)の略。採卵、体外受精IVF)、顕微授精法(ICSI)、胚移植(ET)、卵子・胚の凍結保存ならびに凍結胚移植等の技術に対する総称。一般不妊治療で実施される人工授精では、精子だけを取り扱う技術になるので、ARTには含まれない。

 


妊娠するには、受精できる健康な卵子排卵していることが重要です。女性の年齢が45歳前後になると、規則的に月経がきていても排卵が起きていなかったり、たとえ排卵や生理が順調に起こっていても、卵子の質は年齢とともに低下していきます。妊娠・出産に至る強い卵子をつくりだすことができなくると、たとえ体外受精を行っても妊娠できる可能性は低くなってしまうのです。

 

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女性の年齢による卵子の質 https://extendfertility.com/your-fertility-3/egg-quality/

 

 

女性不妊と男性不妊は同じ割合

女性に原因がある場合を女性不妊、男性が原因の場合を男性不妊と分類されています。「不妊」というと女性だけの問題と思われがちですが、決してそうではありません。男女共にほぼ同じ確率であり、男性も不妊時には一緒に検査を受ける必要があります。不妊症の約3分の1は女性のパートナーに起因し、3分の1は男性のパートナーに起因し、20%は両方のパートナーの問題の組み合わせによって引き起こされ、残り20%は原因不明です。

 

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不妊の原因

https://www.invitra.com/en/sterility-causes

(Female infertility = 女性不妊、Male infertility = 男性不妊、Mixed infertility cause = パートナーの問題の組み合わせによる不妊、Unexplained infertility = 原因不明)

 

 

妊活スタートと同時にクリニックへ

私の主人の友人夫婦は、妊活スタートと同時に、クリニックへ相談に行ったそうです。不妊治療を始める前の私であれば「え?なんで?」と思うところですが、今の私からするとすごく計画的だと思います。不妊治療専門のクリニックではなく、一般的な婦人科でも妊娠にむけてアドバイスをもらえます。自己流妊活を続けるより、プロのアドバイスをききながら妊活した方が、妊娠への近道になるはずです。「私って不妊なんだろうか」「いつ妊娠できるんだろう」・・・と不安や焦りの気持ちをかかえて妊活されている方はたくさんいると思いますが、まずはクリニックへ受診されることをおすすめします。わたしはクリニックを受診するには早すぎることはないと思っています。

 

 

参考

一般社団法人日本生殖医学会

https://www.invitra.com/en/sterility-causes

公益社団法人日本産科婦人科学会

https://www.invitra.com/en/sterility-causes

世界保険機構(World Health Organization:WHO)

https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/infertility

アメリカ生殖医学会

https://www.reproductivefacts.org/faqs/frequently-asked-questions-about-infertility/q02-what-causes-infertility/